東京で初めて地下鉄が開通したのは1927(昭和2)年、現在の東京メトロ銀座線(浅草~上野間)でした。
丸ノ内線は1941(昭和16)年に帝都高速度交通営団が発足して以来、初めての新線建設として1951(昭和26)年に池袋~神田間の起工式を挙行し、銀座線に次ぐ東京の地下鉄として工事が開始されました。池袋方より工事が開始され、以来8年の歳月と278億円の巨費を要して、1959(昭和34)年に池袋~新宿間16.6kmが開通しました。
この池袋~新宿間の開通は東京の発展に大きく貢献しますが、朝鮮戦争や計画ルートの変更など、開通するまでには幾多の苦難がありました。なかでも技術面では難渋し、トンネル掘削の工法や建設工事の際の騒音対策、輸送の安全確保に特段腐心しました。日本の土木工事分野で最初に本格的に生コンクリートが用いられたのもこの丸ノ内線工事においてでした。車両は車内照明を全部蛍光灯とし、換気装置としてファンデリアを設置、ドアを両開きとして製作。信号安全装置として自動列車停止装置(ATS)も設置されました。
「丸ノ内線建設史」の上巻には丸ノ内線(池袋~新宿間)完成までの歴史を収録しています。
「丸ノ内線建設史」の下巻には完成までの建設工事記録を収録しています。
目次
【上巻】
【下巻】