半蔵門線建設史(渋谷~水天宮前)

都心を横断する半蔵門線の計画から開通まで

半蔵門線建設史

この半蔵門線は有楽町線と同様に、1968(昭和43)年4月の都市交通審議会答申第10号(中間答申)で、都市方向への混雑を救済し、都心部の拡大、副都心の発展等都市構造の変化に対応するため、緊急に整備すべき路線として設定されました。

当初渋谷~三越前間を一気に開業すべく、1973(昭和48)年3月半蔵門線渋谷~蛎殻町間の工事に着手しましたが、平河町・九段地区の地下鉄建設反対運動等で、工事が予想以上に長期化したため、分割して開業することに建設計画を変更し、渋谷~青山一丁目間を1978(昭和53)年8月に1期開業させ、同時に東急新玉川線・田園都市線と直通運転を開始しました。その後、部分開業を重ね、1990(平成2)年11月に三越前~水天宮前の5期開業により、渋谷~水天宮前10.8キロ(営業キロ)は、着手してから実に17年余の歳月と2,545億円にのぼる巨額の費用を要し全線開業をみました。

また、建設費は予想もしなかったオイルショックとも重なり、大幅に高騰することになりましたが、泥水シールド工法、めがね型シールド工法等、数々の新工法・新技術を導入して建設費の削減に努めました。

このように幾多の困難を乗り越えて全通した半蔵門線は、東急新玉川線・田園都市線沿線の首都圏西南部と都心部を結ぶ交通動脈として、輸送力が限度に達していた銀座線の混雑緩和及び沿線住民の便益の増進はもとより、地域の発展にも大きく貢献しております。

本建設史は半蔵門線渋谷~水天宮前間の建設の目的から工事完成までの経緯を綴ったものです。

目次

【上巻】

  • 第1編 建設概要
  • 第2編 土木工事
  • 第3編 軌道、建築及び電気工事
  • 第4編 運転及び車両
  • 第5編 有楽町線複々線部の概要
  • 追録 営業線改良工事
  • 資料編
  • 水天宮前~押上間